迎え火
迎え火(むかえび)は、お盆(盂蘭盆会)の初日に、先祖の霊魂が迷わずに現世の自宅へ帰着できるように炊く篝火(かがりび)。
概要
通常は7月13日(または月遅れの8月13日)の夕刻に、門口、玄関先、あるいは集落の境界である 辻 や墓地の入り口でオガラ(皮を剥いだ麻の茎)などを焚いて火を灯す。
対となる儀礼として、お盆の最終日(7月16日または8月16日)に先祖の霊を他界へ送り戻すための送り火(おくりび)が行われる。京都の五山送り火はその大規模な形態である。
民俗的意味
火は現世と他界を接続する道標(境界の標識)と見なされる。火を焚く場所が門前や辻などの「境界」に指定されているのは、他界から訪れる霊魂を境界で迎え入れ、滞在期間の終了とともに再び境界の外へ送り出すという空間認識に基づく。
火を焚く手順を誤ると、先祖以外の無縁仏や悪霊を家屋内に招き寄せることになると信じられており、点火や消火の作法には厳格な禁忌が存在する地域がある。